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ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

第二話 やっぱり巻き込まれてしまった

後編 おかしなことだらけ




ナタマメ騒動も3ヵ月目に入った。

不思議なんだよね。訳が分からないことがある。


ナタマメ原料は、王さんの努力もあって、どこよりも安い値段で輸入した。

それも海軍病院の医療センターで使う漢方薬用の一級品だ。

私のところは出版社だし、一緒に仕事をやっている中には医薬専門のマーケティングリサーチ会社もある。


おまけに王さんの父親は人民軍の幹部なのだ。

だから中国についての調査能力ではどこにもひけを取らないはずだ。

調査によると原料のナタマメは、端境期の今、中国にもほとんど残っていないのだ。


テレビの放映以降、日本の会社がナタマメを探しに中国に殺到したとも聞いている。

どこにも在庫がなくて困っているとも聞いていた。

それなのに廉価なナタマメ100%と銘打った商品がドンドン出てくる。


不思議なことはもう一つある。この値段で出来るわけがないのだ。

原料費・加工費・包装資材、細かく計算しても合わない。何かおかしい。


事実、テレビでも紹介された兵庫県の有機豆本舗丹波さんでは値上げをした。

今まで80g2,000円で売っていたナタマメ茶を2,500円に値上げしたのだ。


「今までは趣味の延長で作っていたのですが、採算が取れません」

「何とか採算点に乗るように 2,500円に値上げすることを理解して下さい」

といった趣旨の文言がホームページに載っている。


当然だと思う。

中国産のナタマメを安く買い上っても、採算計算で青くなっているのだ。

国内産のナタマメなら、さまざまな事務経費を含めて考えれば合うわけない。

最低でも2,500円くらいの値段を付けないと合わないはずなのだ。


そんなある日、さらにおかしなことを耳にした。

ナタマメ100%を謳い文句にする業者が、○○豆を大量に輸入しているというのだ。

その業者の商品ラインナップの中に○○豆を加工した商品は含まれていない。


もしかしたら○○豆を混ぜているんじゃないか、とスタッフが言い出した。

そんなこと出来るのかと半信半疑ながら、出来るのかどうか試してみた。

○○豆を焙煎して、味と匂いを比べてみたのだ。


ほとんど同じどころか、まったく変わらない。

もし混ぜているのなら、輸入量よりも多くのナタマメ茶が出回っても当然だ。

廉価商品でも採算が取れるのも当たり前だ。

もし本当にそんなことしていたら、それはサギじゃないか。


この○○豆って何なのかは、またマネをする業者が出てくると困るので伏せておく。

当然、値段の安いみんなの知っている一般的な豆であるのは想像出来るだろう。

もっと調べる必要がある。


そう思ってからいろいろ調べているのだが、見えてこない。

どうも健康食品業者ってものは実態がハッキリしない。

小さな事務所一つで、製造や輸入は外注している。


販売もインターネットを使った無店舗販売が多い。

さらにはマルチ商法がらみの販売をやるので、これまた実態がつかめない。


そういえばナタマメ茶で遠赤外線二度焙煎を謳い文句にしている業者がある。

インターネット上でけっこう派手に宣伝している。

その話を焙煎業者の技術者に話したら、


「豆茶で二度焙煎なんて、そんなことあり得ないです」

「粉砕前に焙煎して、粉砕後にもう一度焙煎するんですか?」

「そんなことしたらしたら、ナタマメ茶は半分以下になってしまいますよ」

と一笑に付されてしまった。


「フライパンで煎るのなら別だけど、それって焙煎って言えないですよ」

「ましてフライパンのどこが遠赤外線ですか?」だって。


もう一度ネット検索でナタマメを調べて欲しい。

遠赤外線二度焙煎って大きく表示している商品は、すぐに見つかる。


「遠赤外線の二度焙煎の豆茶っての、一度飲んでみたいですね」

「そんなことが大きなロスもなくやれるんだったら、うちは廃業ですよ」


こうまで言われてしまったものだから、早速取り寄せてみた。

もう一度、静岡まで持ち込んで見てもらったら、

「ひどい焙煎だな。こりゃ均質じゃないですよ」

「もちろん二度焙煎じゃありません」


すべてがこんな調子なんだ。

いまだに調査結果が出せない状況は続いている。

それにしてもこんな実態のない会社が健康食品を扱っているなんて、世も末だ。

それと、国内産を売り物にしている大手健康食品業者だけど、なたまめ100%は事実だが、豆の鞘から何から何までを材料にして「なたまめ茶」を作っている。

確かに、茎だって、鞘だって、「なたまめ」という食物に変わりはないけどね。100%の中身もいろいろあるものだね。



両国の隠居の口上

そんなこんなで「なたまめ茶」を楽天のネットショップで売り出すことになりました。

それで止めておけばいいものを、走り出したら止まれない両国の隠居です。

第一話に出てきた中国人の友人「王ちゃん」の勧めで『中国茶』も扱い始めました。

さらにブログ仲間「マンションミモザの城主」さんの『鹿角霊芝』も扱います。


「ミモザの城主」さんはお医者さんです。鹿角霊芝の効能に注目しておられました。

「王ちゃん」を紹介して、中国からの輸入の手配をしたために、私も取り扱うことに。

素材と加工の厳選は、いつの間にか私の仕事になってしまったようです。

こちらも間もなく『両国の隠居の店』で発売開始です。


薬事法の関係があって、ナタマメ茶も鹿角霊芝も、効能は謳えません。

ただ一言だけ言えるのは、『両国の隠居の店』で扱うのは最高級品だということです。

それも直接仕入れですから、中間経費を省いて、どこよりも安く提供しています。


両国の隠居の店、11月中にリニューアルを終えます。

どうぞ宜しく。今後ともご贔屓に。

       両国の隠居


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